守谷(茨城県)/ ハンス・ホールベック (ホリデースペシャルランチメニュー:ローストポーク)
Delikatessen Hans-Hohlweck Fleischerei & Bier Stube
先日、朋友のHO氏から誘いがあり、茨城県の守谷市にある「ハンス・ホールベック」というドイツ料理店を訪ねた。
「ハンス・ホールベック」は、その店名がドイツ語ではDelikatessen Hans-Hohlweck Fleischerei & Bier Stube(肉とビールの店)と表記されている。
また、いただいた当店に関する冊子を読むと、ご主人は大学を卒業された後ドイツで8年に亘って研鑽を積まれた人で、「食肉マイスター」(ドイツの国家資格)を取得されておられる。
加えて、ソーセージやハムをはじめとするドイツ食品の日本における普及に関して草分け的な存在の人で、製造・販売のみならず後進の指導など数多くの実績を積み上げてこられておられるのである。
したがって、当店は本格的なドイツ料理、それもソーセージやハムなど肉を主体とするレストランなのであった。
さて、HO氏に導かれるようにして店内に歩を進めると、販売スペースの左手にある壁にご主人が取得された「食肉マイスター」の認定書を筆頭に、受賞された数々の賞状の内の一部が飾られていた。
HO氏がレセプションで来意を告げると、奥から現れたご主人自らがテーブルに案内してくださった。
そして案内されたのは初老の男たちには勿体ないカウチスタイルの席の前に丸いテーブルが置かれた所謂ブース型の席であった。
こういう席は、夫婦連れかあるいは恋人同士に良いが、いかんせん当店は人気の店で我々が入店した時には他に空いた席はなかったのであった。
席に着いて、何度も当店を訪れているHO氏のお薦めに従ってドイツビールをいただくことにした。
また、併せて料理はホリデースペシャルランチメニューの中からHO氏に強く薦めていただいた「ローストポーク」をいただくことにした。
因みに、HO氏はいつも「ローストポーク」を食されているとのことから、この日は「ブラートブルストプレート」を選択されたのであった。
また、注文したのはビール「ERDINGER Weiβbier」であった。 ERDINGER Weiβbier
「ERDINGER Weiβbier」は瓶に詰められたもので、その容量は500mlあり、注ぐとグラスの0.5lの検量線にぴったりであった。
ビールは細かい泡ができるように注いだために注ぎ終わるのに若干時間がかかりHO氏を待たせることになったが、まずはお互いの健康に乾杯(といっても先ずはグビリと一口)したのであった。
この一口で、まずは電車を乗り継いで訪ねた甲斐があったと実感したのであったが、後から供された料理を食べ進めるにしたがって、これは這ってでも来る値打ちがあると痛感したのであった。 前菜
前菜は、ソーセージの盛り合せであった。
お店のフロイラインがソーセージの種類を順番に説明してくださったが、その声は左の耳から脳味噌を経由せずに右の耳に抜けてしまい、残念ながら記憶するところでない。
さはさりながら味は如実に記憶するものの、浅学にしてその美味さを表現するための手法を持ち合わせていないことが悔やまれるところである。
ただ、右側にある短冊状に切られた一品は柔和な口当たりが秀逸であり、また程良い塩加減と濃厚な肉の旨味が絶妙なバランスで口腔内に広がるという逸品であった。 パン
パンはドイツ風のものなのであろうか、細かく製粉された小麦が堅目に焼かれていて、口当たりがドイツであった。 スープ
前菜に続いて供されたスープは、ベースはコンソメのように思えた(当店は豚肉がメインのようなのでベースのストックは豚のものかも)が、適度に効かされたスパイスによって味が引き締められていて、ここにベーコンが入れられていることで更に旨味のアクセントが付けられていた。
私はこういう味わいは濃いもののサラリとした口当たりのスープが好きである。 ブラートブルストプレート
スープを終えるとメインディッシュが運ばれてきた。
HO氏の選択された「ブラートブルストプレート」には4種類のソーセージで構成されていて、その内の円形にカットされたジャガイモが合わされたものを一切れいただいた。
このソーセージの名前も記憶していないのであるが、その味わいは肉からくる旨味・コク味がジャガイモのでんぷん系甘味によって増幅されるという実に創意工夫の凝らされた逸品であった。
これはリピートしていただきたいソーセージの一つである。 ローストポーク
私がいただいた「ローストポーク」にはチョリソーが一本添えられていたが、主役は断然ローストポークであった。
普通、事前に「これは美味である」と言われると期待が高まってその分味が物足りなく感じられることが多いが、このローストポークはHO氏の強いお薦めにも係わらずそれ以上に美味であった。
何と言っても肉質が良いのである。
その良い肉が活かされるように塩の調整(きっと塩も良質のものであろう)がなされ、また見えないところでハーブが上手く合わされたものようであった。
また、焼き加減も表面を除いて全体に均一に仕上げられていて、硬からず柔らかからず、所謂歯応えのある柔和さが心地よいものであった。
更には、ハニーマスタードを付けると味わいに変化が生じ、これもまた食欲が増進する一因となった。 自家製ザワークラウト
なお、別オーダーでいただいた「自家製ザワークラウト」も「ローストポーク」と好相性で、正直なところどの料理も単独で美味であり、かつ相互に味わいを高めあっていたことが印象的であった。 フラムクーヘン
一通り食べ終わったところで、HO氏からの提案があった「フラムクーヘン」というドイツ式ピザとメニュに書かれた一品を注文した。
生地が薄目のチーズピザという感じであったが、程良い塩味が感じられるチーズと生地のクリスピーさが良く、これでワインの最後の一杯を終えたのであった。 Spätburgunder halbtrocken
なお、ビールの次はRheinhessenの赤ワインである「Spätburgunder」のhalbtrockenをいただいた。
飲み始めた時はもう少しボディのある方が良いような気がしたのであったが、ローストポークを食べ進む内にこのワインの方が相性が良いのかもしれないと思うようになっていた。
次回は、異なるワインを試してみるべきかと思料するところである。 ワイングラスには葡萄の木と実のカット
チョコレートケーキ
最後はデザートであるが、「ローテグリューツェ」というダークチェリーの甘煮をベースにしたものが既に売り切れとなっていたことから、「チョコレートケーキ」をいただいた。
このチョコレートケーキは濃厚なチョコレートがしっとりと仕上げられていて、これはこれで十分満足のいくデザートであった。
ただ、望むらくはデザートワインが欲しいのであったが・・・。
食事を終えて店内を改めて拝見したが、実に多種多様なソーセージ、ハム、肉料理などが並べられていて、近所に住んでいれば全品制覇に励むこと間違いなしであった。
最後に、大阪に居る息子一家にソーセージの詰合せを送って店を後にしたのであった。
が、なんと、HO氏と話をしておられたご主人が車で駅まで送ってくださったのであった。
最高の料理にご主人をはじめとする店の人達のホスピタリティの深さに改めて感心した次第であった。
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