中野/ 天ぷら 住友 (天丼、穴子、ビール)
M社の諸先輩方の中でも尊敬申し上げている方の一人にYA氏が居られる。
YA氏とは銀座でお会いすることが多いが、この日は珍しく中野の街でお会いした。
YA氏はカルチャー派で音楽や演劇に造詣が深く、この日は中野サンプラザで催される演劇観賞に行かれるとのことであった。
私は元よりカルチャー派ではないので中野サンプラザに足を向けることはないが、一方で食には興味があり、YA氏に連れだって中野の街で美食にありつこうという魂胆であった。
訪ねた先は、良質の天ぷらを安価にいただけるという噂の高い「天ぷら 住友」であった。
店内では運良く奥のテーブルに着くことができ、着席するとほぼ同時にビールを注文させていただいた。
当店ではビールと一言でいっても数種類あり、何となくではあったがエビスビールをいただくことにした。
先ずはビールを一口といってもグラスはほぼ空になる程度まで飲み、ほっと一息ついた。
そして、お品書の中からYA氏は「かきあげ丼」を、私は「天丼」を選択し、併せて「穴子(一匹)」をビールの肴としてシェアすることにした。 穴子(一匹)
最初に供された「穴子(一匹)」はふっくらとした身が程良くサクリとした衣に包まれていた。
また、穴子に特有の若干ではあるが鼻腔を刺激する香もなく、断面からほのかに立ち昇る湯気の香りは清澄なものであった。
なお、「穴子(一匹)」の価格は某老舗の天ぷら店の半額以下というものながらもそのクオリティは遜色ない一品であった。 かきあげ丼
穴子の天ぷらを食し終わろうとする頃合いで、「かきあげ丼」と「天丼」が運んでこられた。
YH氏に具材を伺ったが、その内容については残念ながら忘れてしまった。
ただ、YH氏が私よりも先に食べ終えられた事実から判断して、当店の「かきあげ丼」はかなりハイレベルのものであると思料するところである。 天丼、海老の上の黒褐色のものは牛蒡
また、私のいただいた「天丼」には主役の海老が三匹、それに烏賊などが載せられていた。
丼つゆはサラリとしているが醤油味と甘味のメリハリが効いたもので、載っている天ぷら単独でも、はたまたご飯単独でも、もちろんその両方を同時にでも、佳い味わいを演出する逸品であった。 香の者
また、一緒に供された香の物は若干漬かり過ぎかと思ったが、いかんせんその乳酸発酵系の酸味が箸休めとして実に佳い味わいとなっていた。
当店の天ぷら専門店として、かつ人気店である理由の一端を垣間見た気分であった。 味噌汁
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