奈良/ 奈良香寿軒 (奈良漬かすてら)
香寿軒の奈良漬かすてら
過日、奈良を訪れた際に購ったカステラである。
その名を「奈良漬かすてら」という。
近鉄奈良駅を出て人通りの多い商店街に入り、昼食を求めて歩いている時に見つけた逸品である。
カステラ自体は小麦粉に黒糖であろうかくどさの無い自然の甘味が付けられたものであったが、そこに散りばめられていたのは、程良い大きさに刻まれた奈良漬なのであった。
奈良漬のあの甘塩っぱいがマッタリとした味と、ベースのカステラのくどさの無い甘味が絶妙のバランスであった。
流石、奈良漬の本場ならではのカステラであった。 奈良漬カステラ
なお、全くの私事であるが、私は奈良漬が大好きである。
ご飯とともにいただく奈良漬はその熟成した粕からもたらせられる香りが熱々のご飯から漂うご飯固有の甘味のある湯気に乗って運んでこられるものには、得も言えないものがある。
ご飯の場合、瓜の奈良漬も佳いが、私は西瓜の奈良漬を最も好んでいただいているのである。
西瓜の奈良漬は、非常に柔和な口当たりであり、実の部分には奈良漬のエキスがたっぷりと蓄えられていて、これがご飯に染み込んだものは他の追従を許さないほど美味な逸品となるのである。
また、バターを塗ったトーストに奈良漬を合わせていただくのも好きである。
この場合、歯応えも大切であり、奈良漬は瓜のものがベストである。
パンの甘味、バターの塩味の効いた酪味、奈良漬の熟成した粕味、バターで少し柔らかくなった部分のあるトーストのサクリとした歯応え、瓜の奈良漬の繊維から来る弾力のある歯応えが、絶妙な味わいを醸しており、これに勝る奈良漬とパンの食べ方に未だ出会ってはいない。
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