立川/ 奥多摩そば (おでんそば:さつま揚げ)
奥多摩そば(JR立川駅1番線2番線ホーム)
先日、M社の先輩で欧州勤務を長きに亘って経験されたKS氏がオペラに出演されるということで、立川に出掛けた。
因みに、KS氏はドイツ勤務時代には著名な声楽家に指導を受けておられ、現在はプロ並みの実力の持ち主である。
この日の演目は「フィガロの結婚」であり、全篇原語(イタリア語)で上演されるというものであった。
オペラ「フィガロの結婚」は18時開演というものであったので、予め軽食を摂っておくつもりであった私は、この機会に「立川のソウルフード」である「おでんそば」を食べることにしていた。
JR立川駅に17時頃に到着し、改札を出ることなく1番線2番線のホームにある「奥多摩そば」に向かったのであった。 店のポスター
「奥多摩そば」の前に来ると大きなポスターが貼られていて、それによって「おでんそば」には3種類(さつま揚げ、がんもどき、たまご)あることが分かったのであった。
そして、「そうだ!全部載せにしよう!」と思って、勇んで店内に足を踏み入れたのであった。 タッチパネル式券売機
ところが、である。
注文は口頭で行うのではなく、入口横にあるタッチパネル式券売機で食券を買うことによって行うのであった。
そして、このタッチパネル式券売機がなかなかの曲者であって、「おでんそば」の標示はあるものの個別に選ぶおでん種の標示はなかったのである。
最近タッチパネル式券売機に慣れてきたと思っていたが、その自信は雪崩を打って崩れ去ったのであった。
仕方がないので全部載せを諦め、「おでんそば」の標示に指を当てて一枚の食券を手に入れたのであった。 おばちゃんが一人で取り仕切っておられた
食券をおばちゃんに渡すと
「どのおでんにしましょうか?」
と問われたので、一番人気を尋ねると
「圧倒的にさつま揚げです。」
との応えであった。
そこで迷わず慌てず「さつま揚げ」でお願いしたのであった。 おでんそば(さつま揚げ)とからし
おばちゃんは、慣れた手つきで蕎麦を湯がいて丼に入れ、そこにおつゆを張ってから徐に「さつまあげのおでん」を載せたのであった。
そして、私に手渡すと同時に
「からしがありますから、お使いください。」
と告げて、次の仕事に取り掛かりはじめたのであった。 さつま揚げに辛しを置いたおでんそば
おばちゃんに言われた通り「からし」と書かれた黒い容器から一掬いの辛しをさつま揚げの上に置き、これを塗り広げた。
まず、おつゆを一啜りしてみた。
何と、むむむな味わい、であった。
すなわち、東京エリアで一般的に供されるおつゆに比べて、醤油の尖がった味がしなかったのである。
というか、むしろ関西風に近い味わいのおつゆで、大阪出身の私には馴染みのある味わいなのであった。
次に蕎麦を啜り上げた。
蕎麦は所謂普通の駅蕎麦で食べられている蕎麦であった。
そして、「さつま揚げのおでん」を一口いただいた。
おお、おでんではないか!という思いが脳裏を駆け巡るほどの「さつま揚げのおでん」なのであった。
加えて、辛しのツンとした刺激がさつま揚げの旨味を引き立てて、得も言えぬおでんの味であった。
そして、これが蕎麦や関西風に近いおつゆとベストマッチの組合せとして、口腔内に広がったのであった。
思うに、当店固有のおつゆとおでんの味付けがこの旨味を演出しているようであった。
「おでんそば」が立川のソウルフードとして50年以上に亘って君臨してきた所以がこのおつゆとおでんの味付けにあるというのは紛れも無い事実であろうと思料するところである。 清流そば(隣のホーム)にも「おでんそば」がある
なお、隣の3番線4番線ホームには「清流そば」という店があり、ここでも「おでんそば」をいただけるようである。
次のチャンスがあればこちらも味わってみたいものである。
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