西荻窪/ 坂本屋 (カツ丼)
坂本屋
今を遡ること6年半ほど前のことである。
西荻窪にダントツにカツ丼の美味しい店があり、その名を「坂本屋」という、と言うことを聴き付けた。
西荻窪は当時通勤経路の途中にある街であり、訪れるには何の造作もないのであった。
その後、約3年前に一度訪れたのを最後に「坂本屋」には入店の機会を得ることができないでいる。
以下の写真やエピソードはその時のものであり、現在では情報として価値をなさない部分もあるので、予めご了承をお願いするものである。
最初に「坂本屋」に伺ったのは2009年2月14日(土)のことであった。
この時のメモは以下の通りである。
11時33分頃に到着。
開店は11時半らしいが、すでにカウンター席には3人、入り口に近い方からテーブル3卓には2人づつ着席。
カウンター席に坐ろうとしたら一番奥の9番テーブル(一人用)に案内される。
大方の客がカツ丼を注文していた。
席はカウンター入り口側から1番~5番、テーブルも入り口側から6番と7番(4人掛け)、8番(2人掛け)、9番(1人掛け、調理場からの出入りと料理の運び出し口がそばにある為椅子は無い)。
この9番テーブルの席からは店内のほとんど、即ち厨房も客席もず~と見渡すことができるという観察には最良の席であった。
肝心のカツ丼の見目麗しさはかなり良好で、黄身の黄色さが濃く良い感じ。
味も醤油から来る収斂性と甘味がバランスした好きな味であり、カツにおつゆが馴染んで美味しかった。
また、グリーンピースがアクセントとして見た目にもまた味としても佳いものであった。
私個人としては、このグリーンピースが最も気に入っている。
煮込まれた玉葱は可も無く不可も無くであったが、これはこれで必須の味わいと口当たりを出していた。
カウンター5番席のじっちゃんは「ソース焼きそば」を軽快に食べておられたが、常連の方であろう。
テーブル8番の二人連れの内インドネシア人の女性は天津飯で、これは宗教上の理由であろうと推察するものである。
なお、他の全てのお客はカツ丼であった。
食べ終わって店を出るときには5人位が行列していた。
第2回目の訪問は、2012年9月22日(土)のことであった。
その時の写真を合わせて掲載させていただくが、この内容も現在では情報として価値をなさない部分もあるので、予めご了承をお願いするものである。
初音のタンメンを目当てに西荻窪に行ったが、休業であった。
急遽西荻北にあるハンバーガー屋へ行こうと北上すると、たまたま坂本屋からおっちゃんが出てきた。
行列が無かったので即入店し、カウンター席に案内された。
先客は皆カツ丼を注文している。
カウンタの向こう側には、右から、カツを煮る女将さん、お運びからレジまでする娘さん、カツを揚げる親爺さん、一番左に洗い場のオバちゃんが忙しく働かれているのが良く見えた。 お品書(2012年9月当時)
お品書(2012年9月当時)
お品書を見ると、和洋中とオールマイティな品揃えである。
その中で「カツ丼」が不動の地位を築いたのは、何が要因であったのかは分からなかった。 出来たてのホヤホヤ
玉子への熱の通され方が絶妙
坂本屋の「カツ丼」は、出来上がりの熱々が立ち昇る湯気とともに供されるのである。
丼の蓋は用いられておらず、余熱で玉子が固まっていくということは僅かである。
言い換えると、調理の段階でタイミング好く加熱され、タイミング好くご飯に載せられ、タイミング好くお客まで運ばれるのである。
したがって、熱が関係する「揚げ」、「煮」、「盛付」のそれぞれを担う親爺さん、女将さん、お姉さんのそれぞれの技術と相互の連携が巧く進められていることが、厨房を窺っていると実感できるのであった。
こうして美味しい「カツ丼」ができあがるのであるが、個人的には「グリーンピース」が好きである。
色どりも佳し、小さいが存在感のある味も佳し。
「グリーンピース」の存在を知ってしまった現在、「グリーンピース」が有るのと無いのとでは、私に限って言えば「カツ丼」の味わいは大きく異なるように思っている。
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