銀座/ 松崎煎餅 (かき氷 黒みつきなこ)
銀座 松崎煎餅 本店
先日、所用があって都心に出掛けた。
猛暑日の連続記録が気象台開設以来の新記録となる中、少し早めに家を出て銀座界隈を逍遥した。
JR有楽町駅から晴海通を三越の方に歩いたが、不二家を見上げる数寄屋橋の交差点の信号で立ち止まった時には、額には汗が溢れるがごとく滴っていた。
こりゃたまらんわい、と並木通にある「銀座 松崎煎餅」の二階にある「お茶席」に緊急避難させていただいた。 松崎煎餅 お茶席のエントランス(二階)
「松崎煎餅」の「お茶席」は平日とはいえ満席で、待ち席に先客は居られなかったが暫らく待つことになった。
大テーブル
天井:店名の松を想起させるデザイン
巨大な急須?
ほんの5分程待つ間に先客の数組は店を去られ、私も中に招き入れられた。
案内の女性から、大テーブルか二人掛けのテーブルにするかを問われ、大テーブルに一人で座るということにたいそう興味がそそられたのであったが、後から来られる人達と相席になるのも憚られたので、二人掛けのテーブルにさせていただいた。
(結局、大テーブルには私の居た間は誰も着席されなかった。) お茶
着席すると、お茶とお品書が供された。
入店時には「かき氷」をいただこうと決めていたが、まずはお茶を喫しつつお品書を眺めた。 お品書(部分)
お品書は小ぶりであるが厚みのあるもので、さすが老舗和菓子店であると唸らされる品揃えであった。
「かき氷」に関しては、「抹茶あずき」と「黒みつきなこ」の二種類の伝統的かき氷のみであって、老舗としての矜持を感じさせる構成であった。
今回は「抹茶あずき」に後ろ髪を引かれつつも「黒みつきなこ」をいただくことにした。 黒みつきなこ
注文して5分ほどしたところで「黒みつきなこ」が静々と運ばれてきた。
その姿を見ると、フワフワにかかれた氷の上にきな粉がたっぷりと振り掛けられていた。
このきな粉であるが、写真を撮っている僅かな時間にパウダー状であったものが水分を吸ってシットリした状態へと遷り変っていったのは印象的であった。 横方向より
かき氷の山の横には、見た目はこじんまりとしているがその実たっぷりの小豆が添えてあり、また別の器には黒みつが用意してあった。
まず、きな粉のかけられた部分の氷を一掬い口に運んだ。
冷やりとした感覚の中にきな粉の味が広がったのであった。
次いで、黒みつをかけていただいた。口に含んだ瞬間は黒みつの濃厚な味が舌の上に感じられたが、直ぐに融けた氷によって口腔内に広がっていくという至福の味わいであった。
更に、小豆を混ぜて口に含むと、きな粉、黒みつ、小豆、という異なる個性を持った甘味が融けつつあるみぞれ状のかき氷の流れに乗って調和しながら広がっていくのであった。
昨日は暦の上の「立秋」であり、今までの蒸し暑さとは打って変わって夕方から今朝にかけて高原のような風が吹いていた。
先人の経験に基づいた二十四節気というものの凄さを改めて感じた次第であった。
かき氷シリーズでは、連日の暑さがきっかけでかき氷をむさぼったことを記しましたが、立秋を迎えて当地では昨夕および今朝のみではありましたが一気に秋の気配を感じるようになりましたので、本日の一文をもって話題を転じたいと思っております。
まだまだ、厳しい残暑が続くことも考えられますので、適宜かき氷をいただくこともありえると思います。
その際には、都度ご報告させていただければと思っております。
また、連日の連日の冗長な文章にもかかわらずコメントをいただきました皆様にはひたすら感謝いたしております。
また、皆様におかれましては、体調を崩されませぬようご自愛ください。
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