神楽坂/馳走紺屋(日本酒、料理はアラカルトで)
敷地への入口(かくれんぼ横町に面している)
先日、OBのMI氏からメールが送られてきて「梅雨ではあるが、雨を愛でつつ一献飲ろうではないか。」とのお誘いがあった。
これを受けて、昨日に神楽坂で酒宴を張った次第である。
MI氏は神楽坂エリアで誕生され、W大学を卒業されるまでこの地に居られ、当社の中では神楽坂の第一人者である。
このMI氏が今回選択されたお店が「馳走紺屋」である。
馳走紺屋エントランス
「かくれんぼ横町」という通りを北に進むと、左手に敷地に通じる木戸門がある。
木戸門をくぐって池が設えられた中庭を通ると、「馳走紺屋」のエントランスに至った。
暖簾をくぐり、引き戸を開けると仲居さんと下足番の男性が笑顔で迎え入れてくれた。
靴を脱いで上がり、左手に案内されたが、そこにはカウンター席があり、我々は最も左の席に着いた。
このカウンター奥の席は、個室を隔ててではあるが中庭を眺めることができ、またカウンター向こうの焼酎や日本酒の飾りつけを楽しむことができる佳い席であった。
お師匠さん(清楚な中に艶やかさのある夏の装いで端座されていた)
なお、カウンター席のあるエリアの入口を入った処に三味線を弾く妙齢の女性が端座されており、我々が食事を始めるころから乙な音色を奏でて下さった。
流派等に関しては詳しくは伺わなかったが、「お師匠さん」とのことである。
音楽と言うのは往々にして押し付けがましかったり、趣味が合わないと騒がしかったりと感じるものであるが、このお師匠さんの奏でられる三味の音は心地良く、お酒が胃の腑に染み渡るように、当方の気持ちを和ませてくれたのであった。
また、カウンター内を切盛りする女性(後で教えていただいたが、愛さん、という名前である)が凄い美人で、加えて会話の受け答えも清々しい話しぶりであり、佳い酒席の幕開けとなった。
生ビール
この日は夕方から空気が若干乾いたようになってはいたが相変わらず蒸し暑く、まずは生ビールでMI氏との久しぶりの会食に乾杯したのであった。
また、お通しとして「つみれのお吸い物」が供された。 お通し(つみれのお吸い物)
酒肴については、お品書を眺めつ眇めつし(この辺りはMI氏も私もお酒を楽しみたいとの気持ちが強く、酒肴を選ぶのに時間がかかるのである。愛さんには随分と待たせてしまった。)、まずは「きびなごの唐揚げ」、「鯖のへしこ」、「地玉子焼」をお願いした。
地玉子焼
「きびなごの唐揚げ」辺りでビールを飲み終え、日本酒に切り替えた。
当店は、日本あちこちの比較的小さいが美味しいかつ個性をたたえたお酒を造る蔵元から調達されており、ここでもあれこれ迷いつつ、結局は愛さんに勧められた3種類の中から「天青」をいただいた。
清酒は片口で供される
「天青」は非常に切れの佳い酒で、「きびなごの唐揚げ」の苦味や「さばのへしこ」の塩っぱさと佳い相性であった。
清酒のお品書
次いで「鳳凰美田」に移ったのであったが、これは非常にフルーティな吟醸酒であった。
鳳凰美田
更に、「はまぐり酒蒸し」(撮影を失念)、「豚の角煮」、「ふろふき大根」をお願いした。
併せて、日本酒は「王禄」をいただいた。
ふろふき大根
この「王禄」は「口切り」のものが供され、口に含むと軽い発砲感が感じられた。
このような軽快なクリスピイ感のある日本酒をいただくのはお店では数年ぶり、家では数カ月ぶり、である。
「王禄」に続いて「凱陣」、更には「歌人」をいただいた。
最後に「玉子かけご飯」で〆ることになったが、御飯を炊くのに30分ほど要するとのことであったので、「王禄」を飲み終えるころに「玉子かけご飯」を注文したのであった。
玉子かけご飯
日本酒の選択に際しては、愛さんの知識を随分参考にさせていただいたが、お陰で佳い酒を良い順番で堪能することができた。
愛さんには感謝である。
最近のコメント