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2020年9月24日 (木)

NY/ Oyster Bar  (September 24, 1992)

1img_20200922134101 Oyster Bar

日本食、特に寿司がブームになるまでは、アメリカでは生の食物は野菜以外は食されることはなかったようです。
ただし、例外として牡蠣および蛤は古の頃から生で食されてきたということでした。
その牡蠣や蛤を核にしてシーフードを供するレストランとして1913年から営業を続けているのが「Oyster Bar」です。

「Oyster Bar」はGrand Central Stationの建物内にあり、その歴史的知名度の高さと交通の便の良さ、更には料理ならびにワインのストックの多様さから人気の高いレストランです。
とはいえ、格式ばった店ではなく、テーブルセッティングなどはカジュアルなものでした。

私が勤務していた頃のオフィスはグランドセントラル駅から数ブロックの処にあり、日本人社員の多くはグランドセントラル駅を経由して通勤していました。
ということで、グランドセントラル駅構内の「Oyster Bar」に立ち寄るということは一種の盲点になっていて、私は米国勤務中に「Oyster Bar」を訪ねたのは僅かに2回のみでした。

1dscn7841 メニュ(1992年9月24日の日付)

その2回目というのが1992年9月24日のことで、今から28年前のことでした。
この日は現地法人の社長以下数名の日本人社員6名ほどで訪問したことは記憶するところです。

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「Oyster Bar」はシーフードの名店ですから、その名を店名に冠した牡蠣をいただくのは当たり前としても、先ずはAPPETIZERSの中から「SHRIMP COCKTAIL」と「SMOKED SALMON」を人数の半数オーダーしたと記憶しています。

先ず「SHRIMP COCKTAIL」ですが、比較的大きめの中サイズのエビのボイルされたものが昔のシャンパングラス(ショーン・コネリーの頃の007がシャンパンを飲む時に使った口が大きく平たいグラス)の淵に沿って身は内側に尾は外に出して並べられた状態で供されました。写真が無いのが残念至極です。
一緒に供されるのが「カクテルソース」というトマトピューレをレモン果汁とタバスコで味付けしたようなソースとレモンを縦切りにしたものでしたが、私はこの「カクテルソース」が存外に好きで、結構ドップリと付けていただきました。
最初に「カクテルソース」の淡い辛味を伴った酸味を帯びたトマト系の旨味が舌の中央に広がり、咀嚼を始めるとエビの弾力ある歯応えと同時にエビに固有の甘味が口腔内に広がるのですが、暫し味わった後にカリフォルニアの白ワインを送り込みますと口腔内はこれまた得も言えぬ美味に満たされるのでした。

次に「SMOKED SALMON」です。
多くのアメリカ国内のレストランではカナダあるいはアラスカで獲れたキングサーモンの燻製が供されるのですが、この日いただいたのはカナダ産のものであったというふうに朧な記憶があります。
この「SMOKED SALMON」は程良い厚さにスライスされた大ぶりのものが数枚並べられており、私はレモンを絞りかけていただきました。
この「SMOKED SALMON」は舌の上に乗った瞬間にその脂の載ったネットリとした舌触りが心地よく、咀嚼によって滲み出るキングサーモンの旨味と軽い燻製香がタマラヌ味わいとして広がるのでした。
ここにカリフォルニアの白ワインを一口含みますと、まさに歓喜落涙の境地が訪れるのでした。

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APPETIZERSの次は我々日本人にとっては生の牡蠣がヨロシイようです。
牡蠣は15種類あって、ウェイターのおっちゃんが1個1個産地と特徴を説明してくれます。が、最初の方は真面目に聞いているのものの後半以降の方はいい加減に聞いているだけです。
ということで、メニュに書いてある名前からの印象と産地から各自好きなものを5品程選びました。
注文した牡蠣は大きな平たいスティールの皿というかプレートに氷をドッサリと敷きつめた上に並べて供されますが、ここでもウェイターのおっちゃんがこれは何々と説明してくれるものの自分の注文した牡蠣の場所を憶えるのに精いっぱいで、最初の3個くらいまでしか誰も憶えていないのでした。
私は米国北東部を産地とする牡蠣を選択しました。
私は基本的にはレモンを絞りかけていただくことにしていますが、私にとってその食べ方が牡蠣の個性の相違が分かりやすいからです。
牡蠣の大きさは長径が親指ほどの長さのプックリとしたもので、スルッと一口で食べるのに丁度好い大きさでした。

因みに、私が持った印象ですが、アメリカで食する牡蠣は日本のものよりも香が淡いものが多かったです。
なお、私の印象にのこったのはロングアイランド産のBLUEPOINTで、その名の通り胴体に濃緑色の直径が3mmほどの小さな円形の部分がありました。多分ですが、消化器系内蔵が体表の近くにあって食べた海藻の色が現れているのであろうと推察しています。このBLUEPOINTもアッサリした味わいの牡蠣でした。

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また、牡蠣に合わせてCLAM即ち蛤もいただきます。
CLAMには「LITTLE NECK」と「CHERRYSTONE」があり、いずれも日本の蛤に比べると小さいサイズのものが供されます。
これらも一人3個づつ程度をオーダーしていただきましたが、私はレモンを絞りかけるだけでいただきました。
「LITTLE NECK」も「CHERRYSTONE」も咀嚼によって固有の淡い渋味を帯びた貝の甘味が感じられました。

因みに、「LITTLE NECK」や「CHERRYSTONE」は海外航路の船によって世界の各地に運ばれ、日本では東京湾の三番瀬で獲れる「ホンビノス貝」となっています。(現代の大型船は船のバランスをとるバラストタンクに海水を溜めたり排出したりして船の姿勢を適切に保つのですが、この海水の出し入れによって貝などの海洋生物が別の海に運ばれるそうです。)

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最後に、SOUPのカテゴリーから「CLAM CHOWDER」をいただいて〆としますが、これでお腹は満腹状態となります。
というのは、「CLAM CHOWDER」にはクラッカーを砕いて入れるのですが、「CLAM CHOWDER」自体にヴォリュームがある上にクラッカーの存在も侮れない量となっているからです。
因みに、メニュには「MANHATTAN CLAM CHOWDER」と「NEW INGLAND CLAM CHOWDER」とがありますが、前者はトマトベースのもので色も味わいもトマトのアクセントが感じられるものです。一方、後者はオーソドックスなもので、前者も後者も貝の旨味が効いた美味しいものです。
この日の私は「NEW INGLAND CLAM CHOWDER」をいただきましたが、正統派の味わいでした。(なお、「MANHATTAN CLAM CHOWDER」はこの2年前に食しましたです。)

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なお、「Oyster Bar」の人気を高めているファクターの一つがその豊富かつ良質なワインストックであり、アメリカ、特にカリフォルニアの白ワインに関しては特筆するべきものがあります。

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このリストの中から私が選択したのは「Beringer Chardonnay PROPRIETOR GROWN」と「FERRARI CARANO Chardonnay」でした。(写真は参考まで。)
いずれも素晴らしいワインでしたが、詳しくは後日に機会があれば触れたく思います。

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1img_0004_20200922140201 FERRARI CARANO Chardnnay 1992

   

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コメント

そうか、このころは携帯で写真をとるという環境ではなかったのですね。ましてや写真機を持ってレストランに行くというのは許されなかったのでしょうかね。オイスター、うまそうだ。今はもう、あまり量を食べられないので、少しだけ味見をしたいものです。

Kincyanさん
それ相応のレストランで料理の写真を撮るというのは一般的になかったように思いますし、私自身も遠慮という気分があったのは事実です。
貴殿は牡蠣がお好きでしたねぇ。
落ち着いて食事ができるようになったら出掛けましょう。銀座、マンハッタン、上海・・・。

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