大阪(新世界)/ 酒の穴 (居酒屋)
酒の穴
もう2ヶ月ほど前のことになるが、朋友のHO氏と新世界の居酒屋に行った。
先ず最初に訪ねたのは「酒の穴」という店で、ここを訪れる1ヵ月程前に訪れた串カツの店の直ぐ傍にあった。 通天閣
「酒の穴」に至るルートは簡単明瞭で、通天閣の見える四ツ角から通天閣方向に向かって2本目くらいの角を右に曲がって直ぐのところに「酒の穴」はあった。 タイル貼りのカウンター
軒先を多くの提灯で飾られた入口の暖簾を手で分けて店内に首を入れた瞬間に女将さんや大将、それに店のお兄さんたちから「いらっしゃ~い」という威勢の良い声で迎え入れられた。
カウンターの前に並べられた丸椅子に座ると、カウンターの足元から上に行くにしたがって張り出した壁面がタイル貼りになっていることに気付いた。
そういえば、昔の居酒屋はこういう設えの店が多く、例えば京の都は新京極にある老舗居酒屋「京極スタンド」も店の右側を占める長いカウンターはこの様な設えとなっている。 瓶ビールはアサヒ
席に着いて、先ずは瓶ビールをいただいた。
最初にお通しとしてきょうされたのが「茄子の煮漬し」と「人参と大根の炊いたん」であった。
実は、お通しと書いたが、本当にお通しであったのか、はたまた当方が注文したものであったのか、定かに記憶するところではないが、私達が少なくとも積極的に「人参と大根の炊いたん」を注文することは無さそうなので、これはお通しであろうと推察したことが要因である。
とはいえ、ひょっとしたら野菜を欲していたHO氏が目の前の料理群の中から選択的に注文していたかもしれないということも否定できないでいるが・・・。 たいの子
さて、何を注文しようかいな、と壁のお品書の札やホワイトボードを見ていると「たいの子」という文字が私の目を射たのであった。
「たいの子」というのはメスの鯛の卵を煮たもののことであり、東京においては世田谷区の下高井戸の商店街にある魚屋で見たことが唯一の経験である。
大阪は瀬戸内海に近く、良質の鯛が手に入るので、「鯛の子の煮付」はポピュラーな料理である。
が、東京では口にすることはない、ということで、早速これをいただくことにした。
小皿に載った「たいの子」は一口サイズにカットされていた。
それらの一つを口に運び、力を入れない軽いタッチで咀嚼を繰り返すと、「ああ~~~ァ、鯛の子や~~~ァ」と呟いたまま気を失うほどのノスタルジックな味わいが広がったのであった。 熱燗
そして、「たいの子」にはやはり熱燗であろうとお兄さんに注文をすると、程なく熱燗はちろりで供されたのであった。
「たいの子」、「ちろりの熱燗」、「ちろりはアルミ製で取っ手には年季の入った籐が巻かれている」などなど大阪の料理があり大阪の居酒屋の設えであった。 八宝菜
なお、HO氏は自転車仲間の人達と一度来店の経験があり、その際に美味であった「八宝菜」と「豚玉」を注文してくれた。
「八宝菜」に、豚肉、竹輪、椎茸、白菜、人参、筍、などが入れられていて、それぞれの食材から旨味が出たおつゆで食材がコーティングされていて、食材固有の旨味とおつゆの複層的旨味がハーモナイズして、佳い味わいの一皿となっていた。 お好み焼(豚玉やったような)
また、お好み焼も典型的な大阪の味であり、加えて気取った処が無いだけにしみじみとした味わいであった。
また、ソースのインパクトが強いので、これを最初に食べると他の料理の味は霞んでいたであろうかれども、それを知っていて「豚玉」を最後に選んだHO氏の心配りは憎いばかりのものであった。 壁の札は料理のごく一部
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