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2018年2月11日 (日)

天王寺(大阪)/ 種よし (熱燗、エイ肝、鶏のから揚げ)

1img_6068_2 種よし

一昨日から生家に来ている。
一昨日は移動日として生家には夕方に着くというスケジューリングとしたことから、諸般の都合で夕食は外で摂っておくこととしたのであった。

新大阪駅に到着したのは午後4時半を僅かに過ぎた頃であったことから、天王寺まで出たところで軽く食べようと考え、昨夏に歩いた天王寺駅前商店街に向かったのであった。

1img_6111_2 天王寺駅前商店街から入った横道のひとつ

天王寺駅前商店街は熊野街道に面した大きな商店街であるが、一歩横道に入ると幾年もの間に亘って酔い客を迎え入れてきたようなそそられる店がいくつも並んでいた。
そして、それらの店々の中に一際明るく輝きを放っている店があった。
いそいそと近寄ってみると、店の前には店を覆い尽くすかの如く貼紙がしてあった。

1img_6077 引戸の隙間から店内が見えるが、満席状態である

引戸にも貼紙がしてあるが隙間から店内を覗いてみたら、どう見ても満員状態を呈していた。
さはさりながら、辺りを一周して再び前を通り掛かると割烹着を着たおばちゃんが居られたので入れるかどうかを尋ねると、入れるとのたまわれた。
そしておばちゃんに言われるままに引戸を開けると、なんと中は立飲みの酒場であって、おばちゃんが先客に一人分のスペースを開けるよう告げてくれたのであった。

1img_6073 店内(部分)

おばちゃんに導かれるまま立飲みのカウンターの前に立つと、目の前の壁には料理の名前が記された夥しい数の短冊や札が所狭しと並んでいたのであった。

1img_6072 焼酎も多種類

また、酒類も然りであって、ビールやワインはもとより珍しい焼酎などまでがいただけるようであった。
しかし、である。
こんなに選択肢が多数であってはかえって選択するのが難しくなるというものである。
そこで、熱燗を二合いただくことを告げ、次いでおばちゃんに尋ねたのであった、お薦めは何ぞ、と。
おばちゃん、応えて曰く、「エイヒレ」なりと。
「エイの鰭」は、奥歯の調子が若干よくないので硬いのはどうかなァ、と思って「エイヒレ」がお薦めなのォ~?と言うと「エイヒレじゃァなくて、エイキモ」とおばちゃんは強い口調でのたまわれたのであった。
この時点で、私はエイキモなるものを生まれてこの方口にしたことがなかったし、またそれがどのようなものかは想像だにできなかったのであった。
しかし、お薦めを尋ねてその答えが「エイキモ」であったので断るのもなにかなァと思い、え~ィままよっ、と勢いをつけて「エイキモ」をいただくことにしたのであった。
更に、も一品と思い、お薦めは?と尋ねると「ワニノカラアゲ」、「ソフトシェルクラブ」が挙げられた。
それってヒューストンに居た時に散々食べたものじゃあないかいな、と思ったがそういうことはおくびにも出さず、「鶏のから揚げ」を注文したのであった。
「鶏のから揚げ」という言葉を聞いたおばちゃんの表情に一瞬ではあったが落胆の影が走ったのであった。

1img_6069 エイ肝、薬味の卸し生姜とポン酢

さて、ぎゅうぎゅうのカウンターの前で立って待つこと数分、一向に熱燗が供されないのでお兄さんに告げると、直ぐに熱燗の二合徳利の注文が厨房に通ったのであった。
落胆したおばちゃんは注文を通すのを忘れていたようであった。
当店は立ち飲みの店であるから、注文したものが出てくるまでは立って待つことになる。(料理が出てきても立ったままであるが。)
すなわち「立ち待ち」であるからタチマチの内に注文の品が出てきても良さそうなものなのにと思っていると、最初に「エイ肝」が供されたのであった。
次いで、熱燗も供された。

先ずは熱燗をグビリと猪口に一杯飲み干した。
次に「エイ肝」であるが、これは鱏という魚の肝臓であろうという想像の通りのものであった。
1cm厚にスライスされた「エイ肝」を箸で摘まみ挙げるとプニョプニョピロピロとした感じで、口にいれるとフワリと解けていったのであった。
味はカワハギの肝と似た味で、酒の肴としてなかなか好いものであった。

1img_6071 熱燗、鶏のから揚げ、エイ肝

「エイ肝」を一切れずつ口に運び、その都度「エイ肝」のくどさのない濃厚な旨味を味わい、またその都度熱燗で口腔内をリフレッシュするということを2回行ったところで「鶏のから揚げ」が供された。
しかし、味の濃淡から言えば先に「エイ肝」を味わうべしと考え、まずは「エイ肝」をゆるりと食べ終えた。

次に「鶏のから揚げ」をいただいた。
この時点で「ワニ」にしておいても良かったように思ったが、「ワニ」は次の機会に譲ることとしたのであった。

1img_6074 珍味も豊富

ところで、ギュウギュウの店内では、私の右側に妙齢の女性二人組が居られ、「亀の手」や「フジツボ」などの珍しい物を注文し、スマホで撮影された後こわごわながらも食べておられた。
「亀の手」といえばスペイン料理では「ペルセベス」というワインにあう料理で有名である。
へ~ェ、どのような姿で供されるのかと見ていたら、普通に煮たもののようであった。
また、左側に来られた横浜出身という若き男性は女性連れで共に初めての来店とのたまわれていたが、なんと女性が「ヤモリ」を注文されていた。
その「ヤモリ」は、黒い紐のような姿で供されていた。
これはヤモリの干物を焼いたものであろうか・・・。

1img_6076 満員の店内

そうこうする内に、後から後からお客が入ってきて、というかおばちゃんが兎に角詰め込むものであるから、長さ3m+1mほどのL字型のカウンターは体を斜めにして飲まないといけない状況を呈し始めた。
因みに、店内は若い人が多く、女性の割合も3割程度であった。

1img_6078_2 おばちゃん

私が飲んでいる間に入店して来るお客も居れば、出て行くお客も居て、当店は客回転の良い店であった。
支払いはギュウギュウの店内ではできないようで、「外会計」すなわち店の外で支払うということであった。
引戸を開けて外にでるとおばちゃんが居て、客を一瞥するだけで勘定を始めておられた。
おばちゃんに尋ねると、このおばちゃんが店のオーナー、即ち女将さんであった。
更に尋ねると、「種よし」という屋号での営業は40年になるということであった。
再訪を期すところである。
因みに、私の支払いは1,410円であった。

   

昔々のことである。
私は米国のテキサス州にあるヒューストンという都市に赴任していた。
ヒューストンという場所は、元々は海抜の低い湿地帯であって、アリゲータが棲息していたという。
私が住んでいた当時でもアリゲータは居たらしく、ゴルフ場でボールを池に落として拾いに行く際にはアリゲータに注意するべしという冗談がマコトシヤカに語られていたのであった。

ところで、アリゲータが居るということは、それの肉を供する店もあるということで、ケイジアンレストランやシーフードレストランなどではアリゲータの肉を供する店が少なからずあった。
何時のことであったかは記憶するところでは無いが、ウェストハイマーというメインストリートに沿った店で「アリゲータのフリット」を注文したことがあった。
この時、既にアリゲータは何度も経験していて、「チキンのフリット」と見分けがつかないと思っていたことから、「チキンのフリット」も併せて注文したのであった。
白ワインを飲みながら待っていると、若くて大柄で元気な金髪のウェイトレスさんが右手に「アリゲータのフリット」、左手に「チキンのフリット」持ってルンルンとした歩調で我々のテーブルに歩み寄ってきたのであった。(持っていた手は左右逆であったかもしれないが・・・。)

そして、若くて大柄で元気な金髪のウェイトレスさんは「コレガアリゲータ、コチラガチキンデ~ス。」と言ってそれぞれの皿をテーブルの上に置いたのであった。
よく見ると、アリゲータもチキンもどちらも同じような姿をしていて、見分けがつかない。
それならば、食べてみるべし、と味わってみたがどちらも同じ食感かつ味であった。
そこで、テーブルの担当である先ほどの若くて大柄で元気な金髪のウェイトレスさんを呼んで、どちらがアリゲータでどちらがチキンかよくわからないと告げたら、暫し見比べたあげく「ワタシニモワカリマシェ~ン。」と言って、一旦厨房に持って帰ったのであった。
暫らくして戻って来た若くて大柄で元気な金髪のウェイトレスさんは「シェフモワカラナイトイッテマ~ス。」と言って大笑いしたのであった。
我々もつられて大笑いして、「アリゲータのフリット」も「チキンのフリット」も美味しくいただいたのであった。
なお、支払いの際には若くて大柄で元気な金髪のウェイトレスさんへの心付けを多くしたのは言うまでもないことである。

なお余談ではあるが、食事の後レストランの駐車場で大柄の男女が抱擁し、かつ熱き接吻を続けているのを目撃したのであった。
後日、秘書のK女史にそのことを告げると「コレガアメリカデ~ス。」と言ってた。
私は私でツマランことを憶えているものである。

   

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コメント

エイの肝ですか?
動物もお魚も内臓から腐敗していきますでしょう?
きっと新鮮そのものなのですね。
主人も海外ではゲテモの的な物も食したそうですがヤモリはないそうですよ。
ま~ ヤモリもたんぱく質ですから調理法で美味しく頂けると思いますよ。
小学校の時でしたが皮を剥がされた蛇が吊るされていたのですが、真っ白で透き通るくらい綺麗だったのを覚えています。 その後食されたようでした。
人間は何でも食しますでしょう?
彼らかの命を頂く事に感謝を忘れてはいけないのですね。(頂きます)

FORTNUM & MASONさん
肝はやはり新鮮でないとイケマセンですね。
カワハギの肝などは高級食品扱いですが、エイの肝っていうのはどういう位置付けなのでしょうかねェ。
最初見た時はギョギョっとしましたが、勢いで美味しくいただきました。
熱燗には合うようでした。
ヘビですか?想像するだけで気を失ってしまいそうです。
食べ物は他の命をいただいているということですが、生活が便利な地域ほどそのことを忘れているのかも知れませんですね。

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