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2016年8月11日 (木)

小金井/ 赤青MURASAKI (特製赤青醤油らぁ麺) [ホンビノス貝]

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アメリカでは中クラス以上のレストランにおいてはヴァラエティ豊かなAppetizer(前菜)を楽しめるのであるが、シーフード系の前菜ということになると「生牡蠣」が筆頭に挙げられる。
一口に「生牡蠣」といっても、その産地や牡蠣の種類など、結構こだわりがあり、美食家の間ではどの月のどこの産地のどこの種類がベストであるなどと訳の分らん議論をしている鼻持ちならぬ人達も偶に見かけることがある。

また、「生牡蠣」だけではなく、蛤に似た小さな貝も好んで食されるのであるが、この小さな貝にも名前があって「Little Neck」や「Cherry Stone」と称されるているのである。
これらの貝は牡蠣に比べて収穫量が少ないようで、ニューヨークやボストンの高級店においてでも先客が多い場合には売り切れてしまうこともままあることであった。
また、牡蠣に比べて恭しく扱われるようで、ウェイターから前菜の説明があるが、その最後に「本日は選りすぐりのLittle Neckが入っておりますが・・・。」とか、「本日のCherry Stoneはサイズもヨロシク味も濃厚でございますが・・・。」などと若干勿体をつけて紹介されるのである。

こういう時には、先ずシャンパン、あるいはシャブリ、はたまたサンセールのボトルを一本オーダーするというのがこの世界の流れで、生牡蠣3個、それにLittle NeckやCherry Stoneをそれぞれ少なくとも3個を一人分として注文するのであった。

食べ方としては、レモンを搾りかけるか、あるいはカクテルソースとホースラディッシュをそえるのかというところである。
私としては、素材そのものが味わえるレモンで食べていたが、牡蠣もLittle NeckやCherry Stoneもそれぞれに固有の味があるので、レモンが最も味の違いが分かり易いと思っている。
一方、カクテルソースではカクテルソースとホースラディッシュの味が強いので、結局は貝を味わうというよりもソースを味わうことになってしまうようである。

因みに、アメリカ人は一般的に生の魚介類を食べないが、牡蠣とLittle NeckやCherry Stoneは生で食べるのである。(キャヴィアは塩処理がなされているので生という範疇には入れない。)

「牡蠣」は日本でも有名かつ一般的な食材であるが、「Little Neck」や「Cherry Stone」という貝については日本で知る人は、米国在住経験や頻繁に出張している人を除いて、殆どいないようである。

これらの米国で好まれる貝が、戦後の一時期にアメリカの生活を理想としてきた日本で殆ど知られないままであったことが珍しいことである。

しかし、である。
「Little Neck」や「Cherry Stone」は日本人による招聘を待つのではなく、アメリカらしく開拓の精神に燃えて自ら日本に来ていたのであった。
その方法は意外なもので、アメリカの東海岸に就航する大型船舶のバラストタンクに入れられる海水に紛れてはるばる日本にまでやって来ていたのであった。

そして、日本の海でバラストから放出された彼らが成長し、更に子孫を広げて現在に至っているのである。
この子孫たちが大きく育ったのを日本では何故か「ホンビノス貝」と称していたのであった。

そして、アメリカでは「Little Neck」や「Cherry Stone」として愛好されている貝であるが、悲しいかな日本では「ホンビノス貝」として一段低い扱いを受けてきたのであった。

しかし、近年では千葉の三番瀬で獲れるようになったりして安定供給が可能になりつつあることから、居酒屋などで美味い肴として供されるようになってきたのである。

また、「ホンビノス貝」から出汁を摂ったというラーメン店も現れた。
それがJR武蔵小金井駅北側にある「赤青MURASAKI」という店なのである。

因みに、「ホンビノス貝」は大きさによって名前が変わって行く出世貝であって、、「Little Neck」、「Cherry Stone」、「Chowder Clam」となっていくということであった。

さて、いささか前置きが長くなってしまった。

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「赤青MURASAKI」の店内には、店主殿が船橋のご出身であり、沖合の三番瀬で水揚げされた「ホンビノス貝」をスープに使っているとの事が記されている。
毎日10kgをスープに使っておられるということであるが、どれくらいの量なのであろうか・・・。

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先日は、ホンビノス貝のスープを使った「赤青醤油らぁ麺」の最高ヴァージョンである「特製赤青醤油らぁ麺」をいただいた。

1img_2582 特製赤青醤油らぁ麺

先ず、「ホンビノス貝」のスープを啜ってみた。
貝の出汁が効いていて、円やかな中に貝の旨味がジュワっと感じられるのであった。
蛤や浅蜊とはまた異なる旨味が抽出されたスープであった。 
このスープは、ベースとなっている当店の醤油とホンビノス貝の出汁とが組み合わせられたことで、サッパリした口当たりでありながらしっかりした旨味とコク味がそれぞれにベストのポジションにまで高められていたように感じた。

また、「特製赤青醤油らぁ麺」には「とろり半熟味玉」、「鶏チャーシュー」、「炙りチャーシュー」「メンマ」、「三つ葉」、「シャキシャキの野菜(細切り)」が載せられていた。
そして当然のことではあるが、それぞれの具材はその具材に固有の味わいと旨味を有していたが、ホンビノス貝のスープというものに焦点をあてるとスープの旨味・コク味を引き立てている存在となっていたのであった。
じつに穿った見方ではあるが、ホンビノス貝を主役に置くとこういう評価があっても許されるものではなかろうかと思料するところである。

1img_2585 特製赤青醤油らぁ麺

なお、名前は分からないのであるが、シャキシャキの野菜は存外に歯応えが好く、印象深かったのであった。





   

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コメント

エッ J氏さん、ホンビノス貝はアメリカ在住の時 既に召し上がられていらしたと云うことですか?
外来種と言っても美味しいのなら何ら問題はありませんねぇ。
ホンビノス貝で お出汁をとったラーメン美味しかったようですが 美味しいはずですよ、ホンビノス貝は別名 白蛤 とも呼ばれているのですよ。
スーパーで たまに見かけることがあります。
出世貝と云うことは日本でホンビノス貝と呼ばれる状態が最終形態なのですね。
白蛤と云われるほどの旨味があるのなら酒蒸しや網焼き、天婦羅にしても良さそうですし つくだ煮にしたら炊きたての熱々のご飯と いただくと美味しそうですね。


貝のうまみを生かした料理というと、クラムチャウダーなんぞを思い浮かべますが、貝で出汁を取ったラーメン
というのは煮干し系とも豚骨系とも違う独特の旨味がありそうですなぁ。垢抜けた看板といい、ひねった店名と
いい、一味もふた味も違う店のようですね。ゆくゆくは有名店になるかも。
 ところで、ホンビノス貝の名前の由来ですごい説を見つけました。曰く、和名を命名するときビーナス属
Venus に分類されたため、ビーナスを美之主と当て字し、本美之主貝となったそうな。(その後メルケナリア属
Mercenaria に分類が変更されたそうですが。)せめて「美女貝」とか「アフロディテ貝」とかにすればよかった
と思うのですが。
 そういえば、当地で養殖が盛んな牡蠣の殻に付着するために嫌われものになっている「シュウリガイ」を時々
わけていただくのですが、見た目は「ムール貝」そっくりです。(厳密には違う種類らしい。)味も大層いいの
ですが、名前を聞くとつい「修理」を思い浮かべてしまいます。ホンビノス貝ともども名前で損をしていると
思わざるを得ませんな。

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