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2016年7月14日 (木)

小金井/ 東京農工大学 科学博物館

1img_1804 東京農工大学 科学博物館 へ通じる校門

「東京農工大学 科学博物館」では養蚕を始めとした日本の繊維に係わる研究成果と産業の変遷について資料展示と説明がなされている。
かなり以前から気になっていた博物館であるが、昨日になって初めて入館することができた。

話題は逸れるのであるが、私が大学院で指導を受けた先生の先生のそのまた先生はポリヴィニルアルコールの重合やビニロンという合成繊維の開発などで著名な高分子化学の泰斗である。
因みに、私の先生は高分子化合物を生成する反応(重合と称される)の中の「カチオン重合」で世界をリードされた人物で、その一番弟子で修士課程にある私の研究をリードしてくださった現教授のS先生は昨年ノーベル賞受賞に近い研究者として報道された人物である。
こういう環境下で大学院の研究生活をおくったことから、今も高分子化合物については少なからず興味をもっており、昨日は「東京農工大学 科学博物館」を訪れてみたのであった。

更に、話題は逸脱していくが、合成繊維として有名なものはビニロン以外にも数多くある。
その内の一つにポリアミドを原料とするナイロン繊維がある。
このナイロンが開発されたのは・・・。

時は太平洋戦争前の日米関係が険悪な状態になった頃のことである。
当時の米国政府は日本への輸出制限を発動し、時の日本政府はその報復として米国への輸出制限を発動したのであった。
その輸出制限品目の中に「絹」製品が含まれていた。
当時は女性の足を飾るストッキングは絹でできていて、日本からの輸入が止まると米国女性は絹のストッキングを履くことができなくなったのである。
ウールのストッキングは夏場は暑いし、ましてや決してセクシーなものではなく、米国女性からは絹のストッキングを求める運動まで興り始め、これが米国政府の戦争止むなしという方針とは全く反対の日米融和を求める動きに繋がる気配すら見え始めたのであった。

こうした状況下、米国政府は緊急対策として「絹」に替り得る繊維の開発を主要な化学会社に要請し、出来上がったのがDuPont社のポリアミド化合物を原料とする繊維であった。

こうして出来上がった繊維を商業ベースで販売するには、それなりに気の効いた名称が必要である。
関係者が集められ、連日の協議を重ねたがこれといった良い名称はなかなか出てこなかったのである。

「ナンデコンナシンドイコトヲセナアカンネン!」
「ソヤソヤ、キヌノユシュツヲトメルヨウニニホンセイフニミョウナテイアンヲシタ『ノウリンショウ』ノアホドモノセイヤ!」
という取りとめのない議論をしている内に、
「コノセンイノオカゲデキヌノセイサンヲコントロールシテイル『ノウリンショウ』ハダイダゲキヲコウムリゼンゴフカクノダイコンランニオチイルコトマチガイナシヤ。」
「ソレナラ,ノウリンショウ(Ministry of NOLYN)ノナマエノゼンゴヲヒックリカエシテショウヒンメイニシヨウデハナイカイナ。」

ということで、NYLON(ナイロン)という名称がいとも簡単に決まったのであった。

第2次世界大戦後、日本から輸出される絹糸の量は劇的に減少したのは衆人の知る所である。
更には、日本国内でも絹の需要の多くはナイロンに移っていったのであった。

[注)上述の話は全くのフィクションです。]


1img_1800 東京農工大学 科学博物館

さて、本題の「東京農工大学 科学博物館」に戻ることにする。
「東京農工大学 科学博物館」は農工大通という道路に面した「東京農工大学」の正門の右側に門があり、その先にエントランスがあった。

1img_1746 入館者記帳簿の筆記具は野菜の形

エントランスの自動ドアを通ると右手に入館受付があり、ここの入館者記帳簿に入館人数(この日は私一人が最初の記帳者であった)を記入し、次いで案内書を一部いただいて館内を二階へ上がって行った。

1img_1774 シャルドンネ人絹

階段を上がって二階に至ると「シャルドンネ人絹」というシャルドンネ(フランス)という人によって発明された世界初の化学繊維が展示されていた。
解説を読むと、世界中でも殆ど残っていないという希少な実物だそうである。

1img_1750001 遠藤章特別栄誉教授顕彰記念室

遠藤章特別栄誉教授は「スタチン」という化合物を世界で初めて発見された人物で、その業績が展示されていた。

1img_1759 御下賜品 生絲 五種

1img_1760 生糸綛(かせ)

繭からとった糸は木枠に巻き取られるが、枠をはずした糸の束を綛(かせ)ということで、特に中央の大きいのはその形状から提造(さげづくり)と称されている。

1img_1766 繭・生糸の標本(反対側にも)

1img_1767 縮緬糸用 八丁撚糸機

1img_1768 縮緬糸用 八丁撚糸機の説明

1img_1777 ニッサン自動繰糸機HR-2型

1img_1778 ニッサン自動繰糸機HR-2型の説明

これらの展示以外にも多くの興味深い展示がなされていて、また遠くない内に訪れてみたく思っている。

1img_1796 農工大関連商品を購入するためのチケット販売機

最後に1階ロビーに戻ってきて、そこに並べてある農工大関連商品の中から「キウイフルーツジャム」を購入させていただいた。
東京農工大で育成されたキウイフルーツを原料に農学部の実習で作られたものだそうである。
表示を見ると、キウイフルーツとグラニュー糖のみが原材料のようであった。

1img_1809 キウイフルーツジャム

1img_1811 原材料はキウイフルーツとグラニュー糖のみ





   

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コメント

NYLONの命名譚、見事にだまされましたよ。昔「No Run(伝線)」から来ていると聞いたような気もいたしますが、
それよりドラマチックで信憑性も高い気がいたします。(家人は冬になるとよくストッキングを伝線させているので、
看板に偽りあり、てなもんです。)ストーリーテリングの才能がおありですな。いやはや感服いたしました。
野菜型ボールペンも農工大グッズなのでしょうか。散歩に出られるのに格好の目的地ができたようで、なによりです。
公開講座などもありそうですな。受けてごらんになると楽しいかもしれませぬ。(当地の高校でも古典や数学の
公開講座があり、ン十年ぶりに普段使わない脳味噌をしぼっております。)

追伸 NYLONには「いろんな」エピソードが隠されていたのですな、と書くべきでありました。

緑が多くて環境がいいですね。
此方の科学博物館に興味を持ってしまいましたよ。 息子と訪れてみたくなりました。

ストッキング 伝線しやすいのですよねぇ。 特に喪服の時の黒いストッキングが伝線すると特に目立ってしまって‥。
そうしましたら娘がストッキングを湿らせてビニール袋に入れて冷凍庫に入れると伝線しにくくなるからと教えてくれたのです。
何でもナイロンが縮んで繊維が引き締まるそうなのです。 まだ試してはいないのですが いつかお試ししてみようと思っています。

キウイのジャム美味しそうです。 ヨーグルトに入れていただいたら美味しいでしょうね。 野菜を型どったペン 面白いですねぇ。 此方で求める事ができるのかしら。
ブログも毎日書かれて 体調も 戻られたようで良かったですね。

Kabochanさん
ムッフッフ、楽しんでいただけましたでしょうか?
公開講座ですか・・・。
頭がパニクッて、耳と鼻の穴から煙が出そうな気がします。
まあ当分は都心に遊びに行くことに専念したいと思います。

FORTNUM & MASONさん
電線ですか・・・。
経験がないので、そのご苦労は理解できませんが、ズボンが人前で裂けることを想像すると困惑するという感じでしょうかねェ。
キウイジャムは今食べているジャムが無くなったら開けてみます。
野菜型のペンですが、自販機のボタンの写真を確認しましたが、販売はされていないようでした。

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