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2016年4月11日 (月)

小平/ むぎきり (肉うどん、清酒、肴)

1dsc06035 むぎきり

埼玉県南部のエリアが江戸時代から麦の産地として知られていて、古くから麦を主要材料とした「うどん」が親しく食されてきた、ということを聞いたり書物で読んだりして知ったのは小金井に引っ越してきてからのことであった。

その昔のうどんは、農家における農作業の合間に食べられたり、あるいは主要行事が行われる時には「はれの日の食事」として来客者にも振る舞われたとのことで、一家の主婦にとってはうどんを打つことができるというのが大切な要件の一つであったらしい。

私の住んでいる武蔵野付近もうどんの消費が多かったようで「武蔵野うどん」という名前で喧伝されているが、小平付近で食べられてきたうどんは「小平うどん」という名前で広く知られているのは衆知のところである。
一般に、小平うどんも武蔵野うどんもルーツは同じようなものと推察しているが、共通点としては練った小麦粉のシートを紐状に太く切ったものであり、その太さは整ったものではないという気取りのないものである。
また、鍋で煮たものを食することから硬めに仕上げられていて、その歯応えが個性の一つとなっているということである。

1dsc06040 小平団地

さて、小平という土地であるが、小金井市は北側に境を接しているのであるが殆ど訪ねたことの無い街であった。
そこで、先日の桜の花が開き始めた温かい日のことであったが、ふと思い立って「小平団地行き」のバスに乗って終点にまで行ってみた。
バスの終点は正に団地の真中であった。
平日であることから団地の中は静かな空気に包まれていて、中学生の頃に友人が住んでいた団地に行った日の記憶が蘇えってきたのであった。

1dsc06039 小平団地から一ツ橋学園に通じる道

この小平団地の近くには西武線の一ツ橋学園という駅がある。
一ツ橋学園駅といえば、直ぐ近くにある小平うどんの名店「むぎきり」が長きに亘ってその存在を知られている。

一般に、蕎麦の実をひいた粉を練ったシートを切ったものが「蕎麦切り」であり、現代では「そば」と称されている。
一方、麦については「うどん」と称されていて、麦の実をひいた粉を練ったシートを切ったものである「麦切り」をベースにした「むぎ」という表現にはなっていないのは興味ある話題であるが、この話題については有識者の方の言に譲るところである。

当店でも「手打ちうどん」と暖簾に大書されているのであるが、敢えて店名に「むぎきり」と付けられたところに創業者の心意気を感じるところである。
この日は「むぎきり」で久しぶりにうどんを啜ることにしたのであった。

1dsc06018 店内(部分)

さて、「むぎきり」に入ったのは11時半を少し過ぎた頃で、店内にはほんの二組ほどの先客が居られるだけであった。

1dsc06019 店内奥のテーブル席からは庭が見える

店内が混んでいないことをいいことに一番奥のテーブルに着かせていただき、軽く一献いただくことにした。

1dsc06013 清酒「妙高山(純米大吟醸)」

いただいたのは清酒であった。
蕎麦屋であろうとうどん屋であろうと、ベストマッチの酒は清酒である。
当店お薦めの清酒の中から「妙高山(純米大吟醸)」をいただくことにした。
供されたのはコップに注がれたもので、洗練された店構えの中でいただくコップ酒は乙な感じで一味違うのであった。
清酒を口に含みつつ、肴に選んだのは「自家製こんにゃく田楽」と「手造り具だくさん春巻」であった。

1dsc06015 自家製こんにゃく田楽

「自家製こんにゃく田楽」は味噌が塗られた上に白胡麻が振り掛けられていて、加えて柚子皮が添えられていた。
蒟蒻は歯がスッと通るが弾力のあるもので、味噌の味と柚子の香りが秀逸で、思わず知らずに清酒が進む逸品であった。

1dsc06021 手造り具だくさん春巻

「手造り具だくさん春巻」は、サクリとした皮が軽快な食感である一方で中の具材が熱々で火傷要注意の一品である。
味は濃いくはないが春巻きとしての個性はしっかりとしたものであった。
当店お薦めの一品であることが納得できるものであった。

1dsc06024 肉うどん

最後の最後に「肉うどん」をいただくことにした。
当店の人気うどんの一つには「カレーうどん」があるが、これはずっと以前のことであるが一度いただいていたので「肉うどん」を選んだのであった。

まず、うどんは小平うどんの特徴を備えていて、濃いめの色、噛み応え、咀嚼によってもたらされる小麦の甘味、などなど存分に感じられるのであった。
そして、唯一細めにかつ均一に切ってあるところが当店の洗練されたところであった。
具材である肉は醤油と味醂で程良く煮られていて、これ単独でも酒の肴やご飯に適するものと推察するところである。
また、野菜もそれぞれの特徴が活かされるように熱が通されていて、固有の味も、固有の口当たりも佳いものであった。

なお、供された「肉うどん」は清酒と肴で3割ほど満たされた胃の腑にとっては、いささか巨大であった。
が、全ていただいて満ち足りた気分で店を後にしたのであった。

1dsc06016 小皿

1dsc06030 急須と湯のみ

因みに、当店の調度品には「麦」が描かれていて、これが訳も無く心嬉しいことであった。

1dsc06042 小平団地で見た花

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コメント

ジャッカル様、なんとナントの難破船、であります。私事ながら小平団地こそ、わが子供時代を
過ごした場所でございます!懐かしさにいささか興奮気味であります。よくぞお訪ねくださいました。
そうです。小金井駅北口から「小平団地行き」のバスに乗るのでありました。(西武線の花小金井駅
や小平駅に出るルートもありましたが、「国鉄」の駅の方が何かと便利で、父の通勤ルートも母の
買い物ルートも、小生の通学経路も、すべて武蔵小金井駅を通ったのでありました。)
彼の地を離れてかれこれ35年ほどになるでしょうか。団地のたたずまい、一橋学園へ向かう道
(おそらく警察学校の敷地沿いの桜並木ですね!)往時の面影を色濃く残しているようであります。
あまり地元で外食をする機会がなかったせいか、小平うどんも「むぎきり」も存じ上げませんが、
いつの日か懐かしの団地を再訪し、こちらの店にも寄らせていただきたいと思っています。
大変興味深くうれしい記事でした。ありがとうございました。

いつも いろいろな所にお出かけされては美味しいものを(*^^*)
昔の主婦は おうどんが作れないといけなかったのですね。
昔でしたらわたくしは主婦失格になってしまいます 此方に咲いているのは紫木蓮(シモクレン)ですね。 とても綺麗。 白木蓮(ハクモクレン)も有りますし、桜木蓮とよばれる淡いピンク色のものも有りますよ。

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