上野桜木/ 盆石展
先日掲載させていただいた「上野桜木会館」のコメントにおいて、Kabochanさんからご要請のあった展示会についての報告である。
当日行われていたのは「細川流盆石展」であった。
「盆栽」は知っているが「盆石」というのは知見がなく、興味が引かれた。
また、「上野桜木会館」には入ったことが無かったので、この機会を活かして中に歩を進めたのであった。 細川流盆石展会場(部分)
「上野桜木会館」の中は和風の造りであって、畳敷きの部屋で展示が行われていた。
「盆石」は初めて目にしたが、石と白砂で黒色の塗りの盆に景色が描かれたもので、黒い背景に白砂で景色が作られているのであった。
絵画に例えると水墨画のようであるが、眺めているとそうでもないことに気付いた。
思うに、水墨画は墨の黒で対象を描いているのに対して「盆石」では白砂の白で対象を描いていることに由来する相違であろうと推察している。(題材としては、雪の日の烏、というようなものはないのであろう。)
また、展示が終わったたら描かれたものは元の白砂に戻ってしまうとのことで、水墨画に比べて刹那的な趣が漂っていることも心象に影響しているのではないかと推察するところである。 諸道具(匙、刷毛、羽毛、篩)や白砂の収納箱(引出には粗さのことなる白砂が納められている)
会場には、「盆石」を作成するための諸道具が展示してあり、道具からも作画には繊細な技巧が必要であることが伝わってくるのであった。
[展示作品]
ご許可を得て撮影させていただいた。
全ての作品を掲載することができなかったこと、また撮影技術が稚拙なことによって作品を作者の方々の意図通りに再現できなかったこと、その他至らないことも多々ありましたこと、などに関しては謹んでご容赦を賜りますようお願い申し上げます。
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コメント
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リクエストに早速に応えていただき、恐縮至極でございます。
これはまた、大層珍しいものを見せていただき、感嘆しております。「盆石」という言葉も
初めて耳にいたしました。「細川流」という名前から察するに、茶道や華道などと同じく
さまざまな流派もあるのでしょうね。
黒い盆と白砂、という素材の特性のせいか、水や雪の表現にとりわけ趣きが深いように
感じました。細かい砂をおくときなどは、息を凝らして、指先まで神経を張り巡らせて
制作されるのでしょうね。クール・ジャパンの一端として海外に紹介したら人気を博しそうです。
投稿: kabochan | 2015年10月20日 (火) 20時17分
盆石はTVで見たことがありますよ。 枯山水を思わせる部分も有るように感じますが とても繊細で日本の美しい風景を盆の上に再現することが出来る芸術だと思います。
こういった物は お茶席などの来客の おもてなしに用いると素敵かも知れませんよ。 此方では こういった催しを楽しめるのですね。
自国の伝統や文化を身近に感じてそれらを大切に後世に伝えていくべきなのでしょうね。
日本ってやっぱりいいなぁ とつくづく思いました。
投稿: FORTNUM&MASON | 2015年10月21日 (水) 14時07分
Kabochanさん
いつもコメントをいただいており、こちらが恐縮いたしております。
盆石は私も初めて知った次第で、興味深く拝見いたしました。
仰せのように、素材の特性を活かすと流れる水や波、積もった雪などの情景を描くのが最も適しているのでしょうね。
ク―ルジャパンで紹介というのはグッドアイデアですね。
投稿: JFK | 2015年10月22日 (木) 16時27分
FORTNUM & MASONさん
盆石はご存じだったのですね。
このような白砂で情景を表現するという芸術は珍しいですし、日本には様々な風景がありますから盆石で日本の美を海外に発信するということは面白そうです。
しかし、先ずは盆栽のように日本人がもっと良く馴染むことが大事かもしれませんですね。
ご提案のお茶席で使われたり、パーティーなどの会場に置かれても宜しいようですね。
投稿: JFK | 2015年10月22日 (木) 16時34分